@media (scripting: none) はChrome v118ではなくv120から使用可能

@media (scripting: none) とは

CSSの@media (scripting: none)はメディアクエリの一種で、JavaScriptが利用できるかどうかを調べるために使用できます。

@media (scripting: none)登場する以前はnoscriptタグを使用して、JavaScriptがオフのときに特定の要素を表示させていました。

<noscript>
  <p>JavaScriptがオフになっています。</p>
</noscript>

@media (scripting: none) を使用すればnoscriptタグを使用しなくても、特定の要素をJavaScriptがオフのときに表示させることができます。

※ JavaScriptオフは chrome://settings/content/javascript で設定できます。

<p class="is-no-js">JavaScriptがオフになっています。</p>

.is-no-js {
  display: none;
}

@media (scripting: none) {
  .is-no-js {
    display: block;
  }
}

JavaScriptが使用可能かどうかは、scripting: enabled で判定できます。

.info {
  padding: 0.5em;
  border: 2px dotted;
}

.info::after {
  content: "@media (scripting: none)が使用不可です。";
  color: red;
}

@media (scripting: enabled) {
  .info::after {
    content: "JavaScriptが使用可能です。";
    color: green;
  }
}

@media (scripting: none) {
  .info::after {
    content: "JavaScriptが使用不可です。";
    color: red;
  }
}

@media (scripting: none) のサンプル

Chrome v118ではなくv120から使用可能

2023年10月19日現在のChromeのバージョンは118で、Chromeの公式ブログにはscriptingはv118から使用可能だと書かれています。

This Chrome version adds two new values that can be used to adapt user experience: scripting and prefers-reduced-transparency.

https://developer.chrome.com/blog/new-in-chrome-118/#new-media-queries

しかし、実際に使用してみると、Chrome v118はscriptingに対応していないことがわかります。

ブログ内にはMDNのリンクが貼られていますが、scripting media featureはChrome バージョン120から使用可能だと書かれています。

※ ちなみにSafari v17とFirefoxはscriptingが使用可能です。

https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/@media/scripting

さらに、Can I use... で使用可能なバージョンを確認すると、こちらもChromeはバージョン120から使用可能だと書かれています。

https://caniuse.com/?search=css-media-scripting

そのため、現在はChromeの公式ブログのscriptingがv118から使用可能だという記述は正しくないことがわかっています。

Chromeの公式ブログに書かれた内容のため、バージョン118から使用可能だと誤解してしまった人が多くいる状況なので、もし使用を考えている場合は注意が必要です。