
SNSの写真は真実とは限らない
SNSには魅力的な写真や情報があふれています。美しい風景、魅力的な人物、おいしそうな料理、安い低価格料金… しかし、そのすべての情報が「本物」だとは限りません。
あなたがその写真に「いいね」を押したとき、同時に騙されている可能性もあるのです。
例えば最近Xでバズっていた、以下の650円でボリューム満点の定食の画像付きの投稿は画像盗用による嘘の投稿内容であることが判明しています。

本人曰く、画像を盗用した投稿は「ネタ」だったようです。
76歳の高齢者がすぐにバレる嘘をついて、「さてと ネタをネタとわからず気持ち悪いの何人か来たから消し消し」と言いながらあせって削除した滑稽な姿は確かに「ネタ」と言えますね。
昨今の物価高を考慮したら、このボリュームの定食が650円だと確実に赤字なので普通に考えたら投稿内容は嘘の可能性が高いのですが、それだけではまだ嘘とは断定できません。
この記事では、SNSで写真に騙されないために知っておくべき「3つの知識」を紹介します。
1. テキストに5W1Hの情報が含まれているか確認
5W1Hとは、「いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」の6つの要素から構成されます。
前述の投稿には「これで650円て商売する気ないだろ?」としか書かれていないため、テキストと写真からわかるのは「価格」と「どこかの飲食店の定食」ということだけです。
- いつ撮影した写真か?(When)
- どこの飲食店か?(Where)
- 誰が撮影した写真か?(匿名投稿のため不明)(Who)
- 何の定食か?(What)
- なぜこんなに安いのか?(曜日や限定3食などの条件はないか)(Why)
…などの情報が一切含まれていないため、その画像の情報が真実か疑わしいと言えます。
2. 生成AIに質問する
最近の生成AIであればSNSの投稿のリンクを貼り付けて情報が本当か質問すれば真偽を詳細に回答してくれます。
例えば以下のような投稿の場合はリンクをコピーして「このポストの内容は本当ですか?」とGrokなどの生成AIに質問すれば結果が表示されます。
このポストの内容は本当ですか?
https://x.com/iwbjp/status/1951455778784813343

しかし、現在の生成AIの画像解析能力は十分ではなく、「これで650円て商売する気ないだろ?」のように真偽を判定する情報量が非常に少ない投稿の場合は生成AIを使用しても情報の真偽を判定することはできません。
3. 画像検索する
Google画像検索には画像をアップロードするだけで類似の画像を検索する機能があります。
実際に画像を検索すると、「豚汁処 錦えびすっち」のごはん、豚汁、揚げ物、チャーシュー麺の定食の画像がたくさん表示されます。
「夏のメガ盛り定食」という定食は販売していたのは去年で、価格は1,250円となっており、食べログにも投稿がありました。
これで650円というのは嘘だということが確定しました。
さらに、Google画像検索の結果にはXに投稿された画像とまったく同じ画像が表示されていました。

リンク先を確認すると大阪にある「株式会社 松本空間工房」という会社の管理部の勝田さんという方がブログに投稿した画像であることがわかります。
「これで650円て商売する気ないだろ?」と投稿した元水先生(@hinnuhkyokai)は過去の投稿内容から静岡県浜松市中央区若林町に住んでいることが判明しているため、同一人物ではなく、画像は盗用による無断使用だということがわかりました。
まとめ
SNSで写真に騙されないために知っておくべき「3つの知識」は以下のとおりです。
- テキストに5W1Hの情報が含まれているか確認
- 生成AIに質問する
- 画像検索する
昨今では生成AIの性能向上により、人を騙すためのテキストや画像が作りやすくなっており、本物のように見える偽物の情報が以前よりも増えているため、
安易にリポストなどで悪質な虚偽情報を広めた場合は、刑事・民事の責任が発生することもありますので、SNSを利用する際には十分注意が必要です。