
文字化けしないのはNoto Sans JPだけ
Webサイトで日本語を表示する際、Google Fontsを利用されることが多いですが、フォント選択には注意が必要です。
特に日本語の漢字は、指定したフォントで表示されないことがあります。
※ この記事は2025年9月8日時点でのGoogle Fontsの内容です。
※ この記事の文字化けとは文字が変わるという広義の意味です。
文字化けの例
以下のような常用漢字でない文字は、Noto Sans Japanese以外のフォントでは文字化けする可能性があります。
唖侘㐂𠮷𰻞
試しにGoogle Fontsの公式サイトで「唖侘㐂𠮷𰻞 文字化けテスト」という文字で50種類ある日本語フォントを確認するとNoto Sans Japanese以外のフォントは文字化けしていることが確認できます。

Google Fonts 公式サイト 「唖侘㐂𠮷𰻞 文字化けテスト」
見ていただくとわかるのですが、これらの漢字を使用して文字化けしないフォントはNoto Sans Japaneseだけとなっています。
テストに使用した上記5文字のそれぞれの特徴は以下の通りです。
唖
JIS第1水準の漢字 (常用漢字ではない)
「唖然(あぜん)とする」などに使用される漢字。
侘
JIS第2水準の漢字 (常用漢字ではない)
「詫(わ)びる」「侘助」などに使用される漢字。
㐂
JIS第3水準の漢字 (常用漢字ではない)
漢字の「喜」の俗字。七が3つと縁起が良いので店名や酒名などに使用されることがある。
𠮷
JIS水準には含まれていない。(CJK統合漢字拡張Bに含まれる)
吉の異体字(つちよし)。牛丼の𠮷野家が使用していることで有名。
𰻞
JIS水準には含まれていない。(CJK統合漢字拡張Gに含まれる)
稀少漢字だが、𰻞𰻞麺(びゃんびゃんめん)の漢字として有名。
※ JIS第4水準の漢字 は上記の漢字以上に使われないなので除外
𰻞を除けば10種類は対応している
「𰻞」はCJK統合漢字拡張Gに含まれるかなり特殊な漢字で、日本語の通常の文章で使用されるのは𰻞𰻞麺くらいしかありません。
しかも、CJK統合漢字拡張Gに含まれる漢字は8種類と非常に少なく、実際使われる可能性がある漢字は「𰻞」くらいなので、これを除けばGoogle Fontsでは50種類中、以下の10種類のフォントは文字化けせずに表示できます。
- Noto Sans Japanese
- Noto Serif Japanese
- Dela Gothic One
- Shippori Mincho
- Shippori Mincho B1
- Shippori Antique
- Mochiy Pop One
- Klee One
- Mochiy Pop P One
- Shippori Antique B1
Google Fonts 公式サイト 「唖侘㐂𠮷 文字化けテスト」
逆に言うと、この10種類以外はJIS第3水準の「㐂」やCJK統合漢字拡張Bの「𠮷」などの常用漢字以外の文字が使用されるとで文字化けするので、どのような文字が使われるかわからない記事やユーザーのコメントなどのテキストにフォールバックなしで使用するのは避けたほうが良いです。
実際に閲覧するとフォールバックで置換される
実際にWebページで「𰻞」が文字化けする「Mochiy Pop One」を適用して確認すると文字化け(Tofu)状態にならずに「𰻞」が表示されていることが確認できると思います。
<link rel="preconnect" href="https://fonts.googleapis.com">
<link rel="preconnect" href="https://fonts.gstatic.com" crossorigin>
<link href="https://fonts.googleapis.com/css2?family=Mochiy+Pop+One&display=swap" rel="stylesheet">
.mochiy-pop-one-regular {
font-family: "Mochiy Pop One", sans-serif;
font-weight: 400;
font-style: normal;
}
これは、CSSで指定したフォントに対象文字がない場合、ブラウザはシステムにインストールされている他のフォントからその文字を探して表示するからです。
デベロッパーツールで確認すると「𰻞」の文字はローカルにある「Family name: 蘋方-簡」のフォントで表示していることが確認できます。(macOS Sequoia 15.6.1 の場合)

ただし、すべてのデバイスのローカルに「𰻞」に対応したフォントがあるとは限りません。
もし、フォントが存在しない場合は文字化け(Tofu)の状態で表示されます。
仮にローカルに対応するフォントがあったとしても、Mochiy Pop Oneのように形状が代替のフォントと異なる場合は下図のようにフォントの見た目が変わってしまうので、Google Fontsを使用する際には注意が必要です。
